

前回の記事では、私の考える成功の法則「結果 = 能力 × 時間 × エネルギー」についてお話ししました。時間とエネルギー(モチベーション)を確保できれば、ほとんどの方は勝てるトレーダーになる素質があります。
しかし、これからお話しする「プロのトレーダーになるまでのリアルな道のり」を知っておかないと、せっかく勝てる寸前まで来ているのに、不安に負けて諦めてしまうことになります。
非常に勿体ないことです。
そこで今回は、多くのトレーダーが歩むであろう過酷な道のりを「上達曲線」を使って解説します。継続すれば必ず優位性は築けますが、多くの方が途中で挫折します。自分が今どのレベルにいて、どんな状態なのかを客観視するための参考にしてください。

上が、一般的に言われている上達曲線で、下が、私のイメージするトレードで勝てるまでの上達曲線です。 私が考えるに、一般的な上達曲線と、トレーダーの上達曲線は少し違うように思いますので、まずは、一般的な上達曲線について話させてもらいます。
■ 一般的な上達曲線と「プラトー」の正体
通常、スポーツ(テニス、野球)や囲碁・将棋などでプロを目指した場合、上達曲線は一定の法則を描きます。
新しいことを始めた時、最初の「三日坊主の壁」を乗り越えれば、しばらくはワクワクして楽しい時期が続きます。ゼロからのスタートなので、課題をクリアするたびに自分が成長していることを実感できます。
しかし、毎日同じ基礎練習を繰り返していると、「自分は本当に上達しているのか?」と疑問を抱く時期が必ず訪れます。時間と労力をかけているのに、上達が完全に止まったように感じる期間……これが上達曲線における「プラトー(学習高原)」です。
人は「努力した時間に比例して右肩上がりで成長する」と期待しがちですが、現実は違います。実際には、このプラトーという長く苦しい停滞期が存在します。
しかし、上達が止まっているわけではありません。脳内では見えない経験値が蓄積され続けているのです。この「プラトーという時期が必ず来る」という事実を知っていれば、先が見えない不安を軽減し、諦めずに頑張ることができます。
努力が爆発する「セレンディピティ」
プラトーの期間も諦めずにコツコツと努力を続けていると、どうなるか。
ある日突然、今まで粛々とやってきた一見関係のない知識や経験が、頭の中で一本の線に繋がり、加速度的に上達する時期がやって来ます。これが「セレンディピティ」です。
セレンディピティとは、偶然のひらめきや、探していたものとは別の大きな価値を発見することです。ただし、これは単なるラッキーではありません。現場での数多くの試行錯誤(検証と実践)という土台があって初めて、その「ひらめき」に気づくことができるのです。
プラトーを耐え抜いた先にセレンディピティが待っていることを理解しておくことが、挫折しないための最大の防波堤となります。
■ トレーダーの上達曲線は普通とは違う
あくまで、私の考え方になりますが、トレーダーの上達曲線は、一般的なスポーツの上達曲線とは大きく異なる部分があります。なぜそういう曲線になるかをトレードで負ける要因とその心理状態も含めて、私なりに考えたので、お話しします。

理由は、相場には「人間の本能的な弱さ(感情)」が強烈に介入するからです。
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プロスペクト理論(損大利小の本能)や雪だるま効果
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敗因の3要素(情報不足・思い込み・慢心)
(※これらトレード特有の負ける要因については、過去記事
トレーダーが、資金が増えも減りもしない「トントンの状態(プラトー)」に到達するまでの道のりは、非常に過酷です。段階を追って見ていきましょう。
ステップ0:ビギナーズラック(初心者の楽しい時期)
全くの初心者の頃は、運が良いと結構勝てたりします。
理由は簡単で、「損切りをしないから」です。日足レベルのレンジ相場であれば、含み損を抱えて逆行しても、耐えていればたいてい価格は戻ってきます。値ごろ感で適当にエントリーしても勝率が良いため、「トレードって楽しい」「自分は才能があるかも」と勘違いします。
しかし、こんなトレードは長続きしません。強いトレンドが発生して一方向に価格が動いた時、「いつか戻るだろう」という思い込みから損切りできず、最悪の場合はナンピンをして、資金をすべて相場に持っていかれます。
ステップ1:学ぶほど負ける(絶望と口座破綻)
大損を経験し、「ちゃんと損切りをして勉強しなければ」と決意します。
YouTubeやブログでインジケーター(MACDやRSIなど)をかき集め、一生懸命勉強します。しかし、相場の環境認識(トレンドかレンジか)という根本的な軸が定まっていないため、情報に振り回されて右往左往し、初心者時代よりもさらに負けが込み始めます。
含み損を抱えた時の「否認→怒り→祈り→抑うつ→受容」という絶望的な心理状態(※詳細は
FXにおいて「投資資金が大きいほど有利」などということはありません。少資金で勝てない人が大金を入れても、損失の額が大きくなるだけです。
ステップ2:プラトーの期間(トントンの状態)
退場せずに食らいつき、徹底的な資金管理(損失を資金の2%に抑える等)を身につけた人だけが、ようやく「勝ったり負けたり」を繰り返すトントンの状態、すなわちプラトーの期間に突入します。
致命的な損失を出さなくなるため、精神的にはかなり楽になります。ここからが本当の勝負です。「どうしたら勝てるか」を冷静に考えられるようになり、自分なりのルールが固まってきます。
しかし、この時期に最大の敵となるのが「慢心」です。連続してシナリオ通りに勝つと「俺は天才だ」と勘違いし、ロットを上げて大負けする。これを繰り返しながら、長い長い停滞期を過ごします。
ステップ3:トレードでのセレンディピティ
長いプラトーの期間、生き残りながら試行錯誤を続けていると、ある日突然「あ、そういうことか」と相場の本質が見える瞬間が訪れます。
それは小手先の手法などではなく、相場全体の環境認識……例えば、大口投資家がどこに流動性(ストップ)を溜め込み、どう仕掛けてくるのか(スマートマネーコンセプト:SMCの視点)といった、相場の根本的なメカニズムが腑に落ちる瞬間です。
このセレンディピティは誰かに教えてもらうものではなく、これまでの検証と経験が線で繋がった結果として自ら掴み取るしかありません。
だからこそ、諦めずに生き残っていれば、最終的には勝てるようになるのです。
■ 初心者・初級者のみなさんへ

厳しいことを言いますが、あなたの過去の時間の使い方や選択の結果が、今のあなたです。今の生活や取り組み方の延長線上に「勝ち続ける未来」はありません。 絶対的な時間量と経験値が確保できなければ、遅かれ早かれ相場から退場することになります。
【まずやるべきこと】
時間を確保し、作業効率を上げる。
それを習慣化できる環境を作る。
トレードは、相手を蹴落として上位に入賞する競技ではありません。「自分をコントロールし、自分が正しい努力をすれば結果が出る」という、自分自身との戦いです。
利益よりも「資金を守る」ことが絶対条件
初心者の方はすぐに利益を出そうと焦りますが、無理です。まずは徹底したリスク管理で資金を守れるようになってください。 すべてのプロトレーダーも「負け」からスタートし、ボコボコにされながら「どうすれば資金を失わないか」を学んできました。資金管理さえ徹底していれば、退場することはありません。
そして、資金を守れるようになったら、あとは「検証」するしかありません。 聖杯はありません。努力しない人が勝てる世界でもありません。『Forex Simulator』などの検証ソフトを使い、過去チャートで何千回という試行錯誤を繰り返し、自らの力で「プラトー」へ到達してください。 このサイトは、皆さんがプラトーに辿り着くまでの無駄な時間を極力短縮するために作りました。
プラトーに行き着きさえすれば、あとはあなた自身の力で「セレンディピティ」を引き起こすことができます。 相場は逃げません。焦らず、2〜3年という長いスパンで相場と向き合ってください。皆さんが圧倒的な努力の末に「アメージング・トレーダー」として覚醒する日を楽しみにしています。
