【適切なエントリーロット数について】バルサラの破産確率と心理的リスクから導く資金管理術

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■ リスク管理は超重要項目

プロの裁量トレーダーに「トレードする上で大事なことは何ですか?」と質問した場合、多くのプロは次のような順番で答えると思います。

  1. メンタル 2. 資金管理 3. 取引手法 または
  2. 資金管理 2. メンタル 3. 取引手法

「資金管理」はトレードに於いて極めて重要な項目です。資金管理ができていないと、どんなに優秀な手法を持っていても簡単に破綻します。 今回お話しする内容は、「一般的に資金をどのぐらいにすればいいのか」という単なるパーセンテージの話だけではなく、メンタル面の話に深く関わってきます。

あなたはポジション保有中、ドキドキしていませんか?

質問です。あなたは今、トレードしている最中(ポジションを保有している時を含め)、はらはらドキドキしていませんか?

「はらはらドキドキしています」と答えた方は、一度トレードを止めることをお勧めします。(※現在保有しているポジションに利益が乗っていて嬉しくてドキドキしている方は別ですが、今回は負け続けている方に向けたお話です)。

はらはらドキドキしない金額というのは、たいてい「なくなっても落ち込まない金額」ということです。その金額は人それぞれです。 全財産100万円しかない人は、1万円という金額に対して「1万円も!」という感情になるでしょう。1億円持っている人は「1万円ぐらい」という感情になると思います。 しかし、全財産100万円でも「1万円ぐらい」と思える人もいれば、1億円持っていても「1万円も!」と感情的になる人も中にはいます。つまり、人によってお金に対する価値観や感情の許容度は全く違うということです。

取引量を「失ってもしょうがない」と思える金額に落とす

裁量トレードで勝つためには、まず1つの取引手法を自分に合うようにカスタマイズする必要があります。隣にプロのトレーダーがいて手取り足取り教えてもらえる環境にあれば別ですが、基本的には自分で考えて決めるしかありません。

負けているトレーダーさんに必ずやって頂きたいことがあります。 それは、トレードの取引量を「はらはらドキドキしない金額」に極限まで落とすことです。 実際にお金が掛かっているので、はらはらドキドキが完全にゼロということにはならないと思いますが、少なくとも失っても「しょうがないか」程度に思える金額にしてください。

いっそのこと「ある程度勝てるまで、デモ口座でトレードをすればいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、スキャルピングや短期トレードの場合、本口座とデモ口座ではレートの動きや取引サーバーの環境が違うため検証結果に影響が出ることがあります。何より、実際にお金が全く掛かっていないため、メンタルを鍛える訓練にはなりません。

したがって、手法の優位性を確立するまでの段階は、本番環境のデモ口座で時間を浪費するのではなく、『Forex Simulator』のような検証ソフトを使い、リアルなティックデータで過去何千回というトレードを倍速でこなして「勝率とペイオフレシオの統計データ」を抽出する方が圧倒的に効率的です。

自分の頭の中で想像してみてください。「自分はいくらの金額なら、1回に失っても気にならないのだろうか?」 その出た答えの金額でトレードするようにしてください。当然、今までトレードしてきた取引量に比べてかなり少なくなるはずです。

しかし、実際にそのロットでトレードするとかなり辛いトレードになると思います。なぜなら、今まで負けた分をなんとか取り返そうとしていたにもかかわらず、勝ってもほとんど資産が増えないからです。 それでも、やらなければいけません。今まで勝てていなかった人が、急にコンスタントにトータルで勝てるようになるでしょうか? まずは「ある程度勝てる」、最低でも「トントン(負けていない状態)」のベースを作ってから、取引量を増やすしか道はありません。

■ 元に戻すのは大変!「減らさないこと」の重要性

初心者の方は、経済指標やテクニカル分析などについてはよく勉強し、「増やすこと」ばかりを考えてしまいがちです。これは非常に危ない思考です。
資金が減った場合のことを考えたことはありますか? 安定して利益を出している人は、総じて資金管理が徹底しています。

【資金が減少してから元の100%に戻す為に必要な利益率】 例えば、初期投資10万円から、毎月なんとかプラス2%(利益2,000円)の利益が出せていたとします(残高102,000円)。 ここから1回の大負けで「20%の損失」を出した場合を計算します。

  • 102,000円 × 0.8 = 81,600円

この81,600円を元の102,000円に戻す為に必要な利益率は以下のようになります。

  • (102,000 – 81,600) ÷ 81,600 = 0.25(25%)

なんとか2%のプラスを出せていた人が、いきなり25%の利益率を出す必要に迫られるわけです。できますか?

もし1回のトレードで50%の資産をなくし、残高が5万円になったら、元の10万円に戻すだけで「200%」の運用成績を上げなければなりません。これはもう博打に出るしか不可能です。 「なんとか元の金額に戻してやる」という焦りから、自分が決めた1回のエントリー額を無視してロットを上げ、自信のないところでエントリーし始めます。そして、最後は必ず破綻します。

プロのトレーダーは「最大の負けでこのぐらい」というトレードルールと感覚を持っています。無謀なトレードをしないため、大きく負けたと言っても口座破綻には至りません。 「資金が減れば減るほど、トレードで勝って元へ戻すためのハードルが天文学的に高くなる」ということをしっかり意識してください。

■ 適切な資金管理:バルサラの破産確率表

バルサラの破産確率表

現在のトレードにどれくらいのリスクがあるのかを客観的に理解する為に、投資の世界でよく使われるのが「バルサラの破産確率」です。 破産確率は、以下の3つの情報から計算されます。

  1. 勝率
  2. ペイオフレシオ(勝ちトレードの平均利益額 ÷ 負けトレードの平均損失額)
  3. リスクにさらす資産の割合(例:投資資金10万円で1回の負けを1万円とした場合、リスクは10%)

バルサラの破産確率を活用する場合、そもそも自分の手法の「勝率」と「ペイオフレシオ」を正確な数値として把握していなければ、表を見ても何の意味もありません。過去のトレード結果や、検証ソフト(Forex Simulator)で蓄積した数千回のデータから数値を求め、そこから初めて「1回におけるリスクにさらす資産の割合」を決めるのがプロのアプローチです。

たとえば、「勝率50%」「ペイオフレシオ1.00(利益と損失が同額)」のシステムがあったとします。 勝ち負けが半々でトントンならば破産することはないと考えてしまいそうですが、もし「リスクにさらす資産の割合が10%」であった場合、数学的に破産する確率は『100%』となります。10%のリスクがいかに危険であるかが解ると思います。初心者の方はこのあたりの感覚が乏しいため、十分に気をつけてください。

バルサラの破産確率表(リスク10%の場合)

最大ドローダウンと連敗の確率

一般には、破産確率を「1%以下」にするのが望ましいとされています。また、破産確率に加えて考慮すべきなのが「最大ドローダウン(過去における一時的な最大資産目減り額)」です。

最大ドローダウンを予測するためには、「連敗率」を求める必要があります。連敗数は以下の計算式で算出できます。

  • 連敗確率 = (1 – 勝率) ^ 連敗数 × 100

例えば、「勝率60%」の手法が「5連敗」する確率を計算してみましょう。

  • (1 – 0.6) × (1 – 0.6) × (1 – 0.6) × (1 – 0.6) × (1 – 0.6) = 0.01024
  • 0.01024 × 100 = 約1.02%

確率的に、勝率60%の人が100回トレードした場合、5連敗することが1回はあるということです。この5連敗はいつ起こるかわかりません。トレード開始直後に来る可能性もあります。 もし1回のトレードを「資金の10%」で行っていた場合、5連敗した時点で資金は半減(10万円が5万円に)してしまいます。前述した通り、そこから取り戻すのは極めて困難です。

適切なルールを決めて守る(2%ルール)

そこで、まずは「2%ルール」をお勧めします。1回のトレードの許容損失を「総資産の2%」に抑えるというルールです。たとえば10万円だったら2,000円です。 そうすることで、数回の連敗で破滅的な損失を出し、市場から退場させられることを数学的に防ぐことができます。

大きな損をしなければ、取り戻すチャンスはいくらでもあります。大切なのは、儲けることの前に「いかに損をしないか(平均損失を小さくするか)」です。とにかく資金管理を徹底してください。 ※もし2%の損失額でもドキドキしてトレードに影響するようなら、さらにロットを下げるべきです。ルールが守れないのは論外ですから、このルールが守れる環境(ロット数)をまず作ってください。

■ 初心者、初級者の方へ、まだ間に合います!

今ならまだ間に合います。大きな損失を出さないために、トレード経験の少ない初心者・初級者の方は以下の2つを必ず意識してください。

1. トレードは必ず負けトレードから始まる どんな優秀な人であっても、為替の相場ではあっさりと弾かれて鉄槌を受けます。トレードで勝つためには「トレーニングと経験」が必要だからです。

2. 投資の資金は「本当になくなる可能性がある資金」である トレードで勝てるスキルがなければ、資金の喪失は現実となります。 これはトレードを始めた時期の多くの方に言えることですが、「トレード用の口座にある資金」と「銀行口座に貯金しているお金」、どちらも同じ現金であるにもかかわらず、トレード口座のお金はどこかゲームの数字のように感じてしまい、現金としての重みを忘れてしまう傾向があります。だからこそ、「退職金を投資でなくしてしまった」といった悲劇が起きるのだと思います。

資金管理を徹底し、検証を重ね、相場で「生き残る」ことを最優先に行動してください。

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