【システムトレードで儲けられると思ってます?】EAの罠とバックテストの正しい評価方法

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「システムトレード(自動売買)で儲けられると思っていますか?」

ここで書いている内容に関しては私個人の見解ですので、システムトレードそのものを完全に否定する訳ではありません。私自身、システムトレードの本や教材を購入し、それなりの時間と労力をかけて勉強してきましたし、実際に自分でMT4のEA(エキスパートアドバイザー)を作成してトレードしたこともあります。 今回は、その経験を踏まえてお話しします。

■ 勝ち続けるEAは存在するのか?

EAの開発は、たいていMT4のストラテジーテスターを使ってパラメーターを動かしながら作成している場合が多いと思います。しかし、これには「カーブフィッティング(過剰最適化)」という罠に陥りがちだという事実があります。

他のサイトでもよく書かれていることですが、「何年も長く使い続けられるEA」は言うほど多くないのではないかと思います。もしそのEAがどんな相場でも勝ち続けているのであれば、常にそのEAだけがクローズアップされてずっと使い続けられる気がしますが、実際にはあまりそういうことはありませんよね。

「24時間ほったらかしで動かせばいいよ」というのも、本当にそうでしょうか。 例えば、相場に影響を与える大きな事件や重要な経済指標の発表など、「ここで買いエントリーしたらまずいな」という局面は必ずあります。そういった時間帯やイベントを回避するかどうかは、結局のところ「EAを運用する人間の裁量」で結果が変わってくるのだと思います。

ブラックボックス化されたEAの恐怖

評判が良いからという理由で、中身の仕組みを何も分からずに購入して使い続ける。最初は調子よく勝てたとしても、そのEAをずっと使い続けているうちにドローダウン(資産の減少)が発生し、負けが続き出した場合……不安になりませんか?

自分が買ったEAのトレード手法やシステム(ロジック)が解らず、相場の状況も自分で分析・判断できない状態では、EAを止めるべきかどうかの判断のしようがありません。 たとえば、しばらくそのEAが勝っていたとして、「この辺でドローダウンが来るかもしれないから止めておこう」と判断できますか? 勝って儲かっている時は「もっと儲けてやる」という欲が出て、結局そのまま使い続けますよね。そしてドローダウンが発生し出しても、「また回復するだろう」という期待だけで稼働させ続けてしまうはずです。

もし「完全放置で勝ち続けるEA」に当たるとしたら、それは本当に宝くじで億を当てるのと同じぐらいの確率ではないかと思っています。それだったら普通に宝くじを買った方が、まだお金を損するリスクが少ない(買った金額以上は損しない)のではないでしょうか。

■ EAを評価する上で押さえておくべき項目

インターネット上には、 「ほったらかしで勝手に現金が……」 「現在、これだけの利益が……」 といった広告が溢れていますが、安易に飛びついて時間とお金を失わないようにしてください。

もし市販のEAを購入する場合、誇大広告の文章に乗せられるのではなく、必ずバックテストのデータを見て自分で分析し、できれば検証してから買うべきです。全然検証もしないで買うのは、私の感覚ではありえません。どのような手法のシステムかも解らないブラックボックスのものを買うのは、お金をドブに捨てるようなものです。

厳しい言い方になりますが、それで損をしても「楽して簡単に儲けよう」と考えた自分が悪いのです。何度も同じことをこのサイトの中で書いていますが、投資は全て自己責任です。もっと厳しく言えば、そうやって簡単に騙される人たちがいるから、いい加減なEAが蔓延し、本当に優秀なEAが埋もれてしまう結果になるのです。

もしシステムトレードに少しでも興味があるなら、以下の内容をしっかりと読んでください。

自動売買プログラムを評価する場合、販売ページには良いことしか書かれていません。プログラムを評価する上で最低限押さえておくべき項目は以下の5つです。

  1. バックテストとフォワードテストの両方を載せていて、かつその期間も短くないもの
  2. 詳細なトレード履歴が載せてあるもの
  3. テストのモデルが「Every tick(全ティック)」であること
  4. Mismatched charts errors(不整合エラー)の値が極めて小さい、またはゼロであること
  5. できればリアル口座でのテスト結果(フォワード実績)があればベスト

MT4には「ストラテジーテスター」という、EAプログラムを自動でバックテストするツールが備わっています。したがって、テストの結果を載せていないものは論外です。 なお、当サイトで推奨している『Forex Simulator』は、自身の裁量トレードを過去チャートで練習・検証するためのツールですが、ここで言っているのはEA(自動プログラム)の成績を自動で測るMT4の『ストラテジーテスター』の話です。

バックテスト用のヒストリカルデータ(1分足やティックデータ)は、ネット上で提供しているFX業者がいくつもあるため、10年分ぐらいの期間は簡単に入手できるはずです。それにもかかわらずテスト期間が不自然に短いものは、何か意図(都合の悪い期間を隠している)があると考えざるを得ません。

■ ストラテジーテスターのレポートから手法を読み解く

一般的に自動売買プログラムの内容(手法)はブラックボックスですが、詳細なテスト結果(ストラテジーテスターレポート)を見れば、そのプログラムが「どういう手法を採用しているか」がおおよそ解ります。

以下のテスト結果はインターネット上で販売されているEAのテスト結果です。

赤枠で囲んだ部分からそのトレード手法が推測できます

番号① 勝率 88.99%
勝率が極端に高い場合、レンジ相場を狙った「逆張り手法」の可能性が高いです。

番号② 平均勝トレード $6.70  平均負トレード $37.08
勝トレードの利益よりも負トレードの損失が圧倒的に大きい(損大利小)。このことからも、やはり少しの反発を狙う逆張り手法の可能性が高いと推測できます。

番号③ 平均連勝数 16   平均連敗数 2
高勝率の手法なので当然連勝が多いですが、これも逆張り系の特徴です。

番号④  トレード履歴の詳細
例えば、「#13:1.29990で売り」「#14:1.30040で売り」のように、1回目の売りポジションを決済する前に、さらに高い価格で2回目の売りポジションを持っている履歴が連続していたとします。このことから、このEAには「ナンピン」のシステムプログラムが組み込まれていると推測できます。

結論として ①~④の内容から
これらの内容から、「このEAはレンジ相場を狙った、ナンピン逆張りのEAである」と分析できるわけです。 ポートフォリオを組む場合などに、各EAが「どういうトレード手法であるか」を認識できていないと、同じような局面で負けるEAばかりを購入してしまい、全くリスクヘッジになりません。

さらに、損切りしないシステムや無限ナンピンするシステム、マーチンゲールタイプのシステムなども履歴から判断できますが、これらのトレード手法は一般的に破綻する確率が非常に高いため、選択しない方が無難です。

■ カーブフィッティングの危険性とSMCの必要性

もう一つ非常に注意すべき点は、嘘偽りなくバックテストの結果が良かったとしても、「必ずしも今後も良い結果が得られるとは限らない」ということです。

代表的な例が「カーブフィッティング(過剰最適化)」です。 これは、簡単に言うとその自動売買プログラムの設定値(パラメーター)を、過去の特定の相場で最も利益が出るように「過剰に調整しすぎたもの」を指します。開発プログラマーのスキルにもよりますが、気づかずにカーブフィッティングしてしまっている場合もあります。

カーブフィッティングしている自動売買システムでは、相場の状況が過去と少し違っただけで全く機能しなくなります。 市場の流動性(スマートマネーの動向)は常に変化しており、それをプログラムだけで完全に予測することは不可能です。だからこそ、自分の目で環境認識を行う裁量スキル(SMC等)がベースに必要となるのです。

インターネット上で多くのEAが販売されていますが、購入しても機能しないものがたくさんあります。私の考える理由は、プログラミングスキルが乏しい人が「過去の相場で利益が出るように数合わせで作ったプログラム」が多いことと、「裁量で勝てるスキルがない人が思いつきで作成しているから」ではないかと思っています。

■ 結論:システムを評価するにも「裁量のスキル」が必要

システムトレードを安全に運用するには、きちんとしたデータでバックテストしているか、過剰な最適化をしていないか、どういう手法のシステムかなどを正しく評価し、見極めるスキルが必要です。

システムをきちんと評価できるスキルをつけるには、裁量トレードと同様にかなりの勉強時間と労力が必要になります。そして何より、ブラックボックスのシステムが「長期で稼げるものなのか」「たまたま今の相場に合っていただけなのか」を判断するには、相場の本質を見抜く眼(裁量スキル)が不可欠なのです。

※ちなみに、私自身は現在「裁量 + 自動売買」というハイブリッドな形でトレードを行っています。エントリーは自身の裁量(SMC等の環境認識)で行い、エグジット(決済)は自分が考えたいくつかのトレーリングストップを使って半自動で管理するスタイルです。

システムトレードの検証や評価が好きで得意分野だという方には向いているかもしれませんが、現時点ではまず「裁量トレードのスキルを上げること」に専念し、システムトレードはその先だと考えるべきです。

もう一度言いますが、「勝率 ≠ 儲かる」です。インターネット上に氾濫する「勝率〇〇%の驚愕のシステム!!」などの言葉には安易に飛びつかないようにしてください。

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