
■ 20SMA(移動平均線)でダウを見るという新基準
相場の環境認識において「ダウ理論」は必須の知識ですが、初心者にとって「どこを高値・安値として捉えるべきか」の判断は非常に難しいものです。
そこで非常に参考になるのが、専業トレーダーのルーシーさんが提唱されている「標準化FX(新基準FX)」という考え方です。これは、チャート上の細かいローソク足の動きに惑わされることなく、「20SMA(期間20の単純移動平均線)」の波の動きで相場のダウ(高値・安値)を捉えるというアプローチです。
このアプローチを取り入れることで、初心者特有の「小さい高値や安値に騙されて目線がブレる」という現象を物理的に防ぐことができます。より理解を深めるために、まずは以下の参考動画をチェックしてみてください。
以下のYouTube動画を先に見て頂くと解りやすいと思います。
【新基準FX】移動平均線レベルでダウを見る事によって小さい高値や安値に騙されずに済む方法
以下はこの記事を執筆している現在、2021年10月16日時点のポンドドルの日足チャートです。
どこが高値安値、押し安値、戻り高値にすればよいか解りますか。

このチャートに、MT4インジケーターのMAinColoreの20SMAとMAbaseZigZagを適用そます。
そうすることにより、

中上級者向け:エリオット波動論との融合
この20SMAで捉えた波の構造は、書籍『エリオット波動研究』で語られている波動原理とも深く合致してきます。中上級者の方で興味がある方は、書籍やサイト内の「エリオット波動論」のカテゴリ記事を参考にしてみてください。

(※初心者の方は難しく感じると思いますので、現時点ではスルーしていただいて全く問題ありません。)

上図が先程の、20SMAのMAinColorとMABaseZigZagにローソク足を表示させた図です。
解りやすく、ラインを黄色にしています。
ローソク足チャートでの高値安値をある程度適切に捉えられていると思います。
補足:インジケーターの特性上、レンジ相場ではかなりジグザグで複雑に見えます。
MAbaseZigZagインジケーターの波形をそのまま信じて波動を数えるのはオススメできません。
では、高値安値、戻り高値、押し安値から見ていきましょう。
解りやすく、インジケータだけの表示画像で解説していきます。
■ 相場の本質:見極めるべき「5つの状態」
相場を支配する根本的な考え方として、市場には基本的に「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ相場」の3つの状態しか存在しないと考えます。
環境認識で最も重要なのは、現在のチャートがこの3つのうち「どの状態にあるのか」を正確に見極めることです。それが解るようになれば、相場において一貫した優位性を保てるようになります。
そして、この3つの基本状態にプラスして、必ず覚えておくべき重要な局面が以下の2つです。
- トレンドの発生
- トレンドの終了
つまり、「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ相場」「トレンドの発生」「トレンドの終了」という計5つの状態を見極めることこそが、トレードのすべてと言っても過言ではありません。
ダウ理論は、世界中のほぼ全てのトレーダーが意識している普遍的な共通言語です。世の中には特殊なインジケーターや手法も存在しますが、それらはごく一部に過ぎません。大半の市場参加者がダウ理論をベースに行動しているからこそ、この理論がチャート上で機能するのは当たり前なのです。
■ 初心者はまず「相場の状態のイメージ」から始める
「まずは高値・安値を細かくチェックして、サポートやレジスタンスのラインを引くのが先ではないか?」と思うかもしれません。
しかし、初心者のうちは、そもそも「どの高値・安値が本当に重要なのか」が分からず、機能しないラインを量産してしまいがちです。 ですから、チャートを開いたらまずはラインを引く前に、ダウ理論を基にして「今の相場は上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、あるいはレンジ相場なのか」という全体の大きな状態をイメージすることから始めるのが正しい手順です。
一般的なダウ理論の細かい定義(歴史など)はネット上に溢れているため割愛し、ここではトレードに本当に必要なエッセンスだけを解説します。
ダウ理論を正しく「理解」する
ただ単に「こういうパターンがある」と暗記するのではなく、「なぜそのような値動きになり、なぜそれが有効なのか」を市場の心理から理解することが重要です。
上昇トレンド: 高値・安値を共に切り上げ続けている状態

下降トレンド: 高値・安値を共に切り下げ続けている状態

レンジ相場: 高値・安値の方向感がなく、一定の幅で推移している状態

ちなみに、この「高値・安値の切り上げ/切り下げ(ダウ理論)」の動きこそが、当サイトが推奨するスマートマネーコンセプト(SMC)における『BOS(構造の破壊)』や『ChoCh(キャラクターの変化)』といった、大口の資金の流れを追うための環境認識の土台となります。
トレンドの発生と終わりの特徴
- トレンドの発生 トレンドの発生の多くは、「レンジ相場」からのブレイクアウトによって起こります。上昇トレンドからいきなり下降トレンドへ、あるいは下降トレンドからいきなり上昇トレンドへV字反転するような相場は、長期足(日足など)においては非常に稀です(※1分足〜1時間足などの短期足は除きます)。 トレンド発生の初期特徴としては、「大きなローソク足の出現」が挙げられます。小さなローソク足がダラダラとトレンドを作ることもありますが、大口が仕掛けるトレンドの初動は、ドカンと大きな陽線や陰線が出現して一気に展開することが多いです。
- トレンドの終わり トレンドの勢いが衰えると、逆方向への動きが顕著になり、方向感が失われてトレンドが終了します。トレンドが終わると再びレンジ相場へ移行することが多く、必ずしも「トレンドの終了 = 天井や底からの即反転」にはなりません。 チャート上では方向感がなくなり、ランダムに上下に激しく動きやすくなるため、トレードが最も難しい局面となります。このような局面をダウ理論で察知したら、無理に手を出さず、少し様子を見るのが無難です。
この「トレンドの発生」と「トレンドの終わり」という複雑な転換局面をリアルタイムで察知できるようになるためには、『Forex Simulator』等の検証ツールを使って、過去チャートで何度も波の反転パターンを疑似体験し、視覚的な経験値を積むことが最も効果的なトレーニングとなります。
まずは20SMAをチャートに表示させ、相場の「5つの状態」を客観的に観察することから始めていきましょう。
